カグヤマとムラクモ |
越と出雲の関係を3ファイルに渡って見てきたが、大きな筋を妄想してみる。 |
とにかく伝承が各種あり、それぞれ補完してくれる場合もあるが、矛盾していることも多い、ということを先ず容認する必要がある。それが今見ることが出来る現実だ。 |
例えば、有名なスサノヲの八岐のオロチ退治(記紀)に関しても出雲風土記はオホナムチが「越の八口」を退治してきた、というように、どっちが、本当なんだ、どっちが間違いなんだ?と問いたくなるが、とにかく昔の英雄伝説なのだ、という具合だ。 |
だから、大筋を再構築してみたいと思うが誰の事跡にすべきか、迷うことが多い。上記の例の場合にはスサノヲとか大国主とか云われた、まぁ、出雲のある伝説上の英雄、という程度に理解したらよいのだろう。 |
さて、あるとき、出雲と越が戦い、出雲が勝った。出雲が勝ったのはオロチを退治したからだ。そのオロチから草薙の剣が出てくるが、これは天(アメ)のムラクモのツルギという異名が伝わっている。そして、この剣は天神に献上したとも、熱田神宮に収まったともいう。 |
さて、天のムラクモ、という名前の人がいる。彼は天のカゴヤマの子である。この部分を解釈してみると、出雲はカゴヤマを征伐して、その子ムラクモを生け捕りにして、尾張の国に幽閉した、という妄想が出来る。 |
さて、カゴヤマだが、別ファイルで考えているように、彼はカグツチのことではないか、と思っているが、カグツチはイザナミ(あるいは上古の偉い女性)から生まれ、その誕生の際、火が原因でイザナミは亡くなってしまう。 |
誕生に際して火が関係するのは、ニニギの妻、コノハナサクヤ姫の出産シーンである。自ら産屋に火を放ち、生まれてくる子たちの純潔を証明する。こちらの話では、コノハナは亡くなってはいないが、種々の系図の検討をしてゆくと、カゴヤマもこの時に生まれた3、4人の一人の可能性がある。 |
そして、時代が降って、今度は出雲が負けて国譲りとなる。その結果、タカミムスビがミホツ姫を大物主に娶らせる。出雲は誰に負けたのか。越に負けたのではないか。越のリベンジだ。もっとも出雲風土記はあくまで、所造天下大神命(大国主)が越のヌナカハ姫を娶った、と報告しているが。。。 |
別途見たように、母方の名前がその配偶者や子の名前に受継がれる傾向(出雲系譜の検討で述べた)を応用すると、ヌナカハ姫が結婚した相手、または、その子がヌナカハ耳(第二代スイゼイ天皇)になるのではないか。 |
そうであれば、初代の神武天皇がミケヌという名前を持っていることから、出雲の熊野大社に祭られる「かぶろき熊野の大神、櫛御気野命(くし・みけぬ・の・みこと)」に符合してくる。 |
越と出雲2:出雲国引き 越と出雲3:カグツチの異称 欠史8代の再構築・8 欠史8代の再構築・7 欠史8代の再構築・6 欠史8代の再構築・5 欠史8代の再構築・4 欠史8代の再構築・3 欠史8代の再構築・2 欠史8代の再構築・ 欠史8代の后妃たち |