ほんの入り口で逡巡 |
今の日本語の語彙は、多くの地域からの借用語と、借用元が判らない言葉(これが大和言葉であろう)から成っている。借用語は、古くは中国、朝鮮から、最近では多くは西洋から、低頻度ではあろうが、世界各地の言語から来ている。 さて、「大和言葉」というものは一枚岩か。こういう疑問、問題提起は今までにあったであろうか? 大和言葉とされる語彙も実は二重構造、多重構造になっていないだろうか? 例えば「新」を意味する大和言葉に「アラタシ」と「ニヒ」がある。これらが本源的に大和語で内部発生したかも知れないが、それぞれ起源を異にしているかも知れないと考えてみよう、というプロジェクトである。 同じ事に対していくつもの単語があるのは、僅かに意味差を持たせることもでき、そうでなくとも、表現が豊かになる効果があろう。つまり、同義語の各々の起源が異なる、という保証は全くないものの、起源が異なるかもしれない、という発想、視点で大和言葉を見てみよう、と思う。 方法論としては、
これは大変な仕事だ。やり続ける自信全くなし。。。 ひとまず、概念的なデータを下記しておく。 |
海 | ワタ | ウミ(ウナ、∴ウニ?) | 琉:ウミあり;ワタ系無し? となると、ワタ=海というのは、和語と琉球語が分離した後に和語に入ったコトバ、ということになるか |
新 | ニヒ | アタラシ | 琉:miisaNニヒ系;アタラは和語の古い意味(可惜)を保存;琉:sara ア:asir 熊谷氏指摘:「うい(初)」「はつ(初)」「はじめ(始め、初め)」 |
山 | ヤマ | モリ、タケ、ヲカ | 琉:ウタキ=大・岳か。 |
川 | カハ | ミ?、ツ? | 参考。例:日高見=日高川、ということでは。 |
遠 | ヲチ | トホシ | ヲチはワタの母音交代か、とJK |
玉・瓊 | タマ | ニ、ヌ |   |
間 | アヒダ | マ |   |
天・空 | アマ | ソラ | 琉:ツヅ=天頂。『初期天皇后妃の謎』p208。参照:和語ユフツヅ 真田信治編『日本語の消滅に瀕した方言に関する調査研究』P145に甑島方言に「頭頂:ヅッゾー」とあり。頭頂 の音読か。そして、琉球方言もこれに類する音読か。(2006/07/16) |
赤・丹 | アカ | ニ |   |
土 | ツチ | ニ、ハニ |   |
胆 | イ | キモ |   |
寝 | イ(名詞) | ヌ |   |
石 | イシ・イソ | イハ | イサゴ |
葛 | クズ | カツラ |   |
音 | オト | ネ |   |
顎 | オトガヒ | アゴ・アギ?cf.アギ田 | 琉:kakuzi, utugee (アゴ系無し?) |
朝 | アサ | アシタ | 琉:asa, sutumitiツトメテ |
麻 | アサ | ヲ |   |
天空 | アメ | ソラ |   |
妻 | ツマ | メ | 琉:tuzi刀自;ア:tusi |
戸 | ト | ヘ |   |
茅 | カヤ | チ | 茅萱(チガヤ)と合成可能 |
風 | カゼ | シナ、シ |   |
歩 | アユム | カチ |   |
藻 | モ | メ | 同源? |
顔面 | カホ | ツラ | オモ? |
頭 | アタマ | カブ、カシラ |   |
円 | ツブラ | マロ | マドカはJKになし |
衣 | キヌ | コロモ、ソ | キヌ>絹?熊谷氏 |
昨日 | キノフ | キソ、キス | ケフに照らすと「フ=日=ヒ甲?」、「ケフ:キノフ ← *キフ:キノフ?(ケフ:*ケノフ?){*は文献にない語形}参照「キフ=来経:経過する。来ては去って行く」(JK) |
鷹 | タカ | クチ | これは簡単。クチは百済俗号と、仁徳43年紀 |
暮・夕 | クレ | ユフ |   |
日 | ヒ | カ | 琉:カハ |
酒 | サケ | キ | ミワ |
魚 | イヲ・ウヲ | ナ、イサ(鯨)、イサナ(鯨) | 大魚オフヲ←オホ・ウヲ(出雲風土記) |
鯨 | イサ | クヂラ |   |
前 | マヘ | サキ | クマ、日前はヒクマ。クマは琉で村の意(クダ、クラ、コダ、フタとも。)マキョと同義。S10 古昌郡 本古ダ耶郡★今安東府領縣三 欽明紀「居陀牟羅」、百済王子余昌が占領 |
沢・谷 | サハ | タニ |   |
鰐・鮫 | ワニ | サメ |   |
猿 | サル | マシ |   |
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