隠岐の三子島 伊予の二名島 |
まぁ、そうなのかも知れないものの、折角イザナギ・イザナミが親だという話をしているのに、島後が島前の親だ、というのもいささか腑に落ちません。
これがアイヌ語(縄文語の後裔言語ではないか、と研究中)では、沖の島 が rep un sir となります(北海道の礼文島がその例)。また、rep us pe でも 沖に・いつも居る・もの、という意味になります。
さて、rep は「三つ」の意味にもなります。rep を「3つ」と捉えると rep un sir にせよ rep us pe にせよ、三つ・ある・島、とか、いつも3つあるもの、という意味になります。「沖の島」が原義だったのが、アイヌ語語彙上での、沖=3、から「隠岐之三子島」という謂れになったように思えます。
さて、古事記は隠岐の三つ子嶋の異名として「天之忍許呂別」(あまのおしころわけ)という名前を挙げています。「忍許呂」を u-os-kor と解けば、このアイヌ語は「次々に・生む」という意味合いになります。まさに三つ子嶋の綽名に相応しいことが判ります。
四国に関して「伊予之二名島」というのも、似たような方法で考えてみますと、二つの・名前・(を持つ)島はアイヌ語で tu re (kor) sir です。(2=tu, 名前=re)
一方、turesi という言葉があり、「妹」の意味です。この島には四つの国あって、二つの国に男性、残り二つの国には女性の名前が付いています。tures (kor) sir,「妹・(を持つ)国」だった(と考えられていた)なんて想像はどうでしょうか。
そう考えると、
別考でアイヌの説話から二名島の原義を別の角度から考えています。2000/08/04
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