東西南北に対応 |
板橋論文P160には『後漢書東夷伝』に出てくる高句麗五部族名が東西南北と内に対応しているという白鳥・村山の説が紹介されている。即ち:
[2004/97/21:追記]高句麗本紀西暦22年7月に「椽那部」(上記五部の順奴部か絶奴部か)、32年に「沸流那部」(流と婁から桂婁部では?)「南部」(既に上記五部の名称が出てくる)、72年に「貫那部」(灌奴部か)74年に「桓那部」(桂婁部か{これは金思Y氏による})、132年と147年に「桓那部」「沸流那部」、165年に「椽那部」が見える。更に251年に「貫那」、254に「沸流那部」、256に「椽那部」が見える。(魏志が伝える時代であり、上の五部との整合が取れる筈だ。「那」が「奴」と同音であり、意味上「壌」に相当するのであろう。それぞれと上の五部との対応は音の類似による想像である。 それにつけても思い起こすのは『三国志・魏志』の倭人条に出てくる諸国名が「奴」で終わるものが多く見られることである。 高句麗の名称と対応するものがないか、無理矢理下表に整理してみた。
「狗奴」を更に考えてみる。
呼邑國、鬼國、躬臣國、支惟國 あたりと 高句麗の「桂婁」の音の近似もメモしておきたいポイントだ。 |
巻35(高句麗地名リスト)より | ||||
9 | 黒壌郡(一云黄壌郡) | *今勿奴郡 | [9今勿内郡(一云萬弩)] | 黒=今勿(板橋#14):壌=奴(板橋#34) |
13 | 陰竹縣 | *奴音竹縣 |   | 陰=奴音:∴11陰=仍=奴音● |
22 | 穀壌縣 | *仍伐奴縣 |   | 5で壌=奴だから穀=仍伐。13仍=奴音● |
32 | 荒壌縣 | *骨衣奴縣 |   | 壌=奴(ナ)だから荒=骨衣(板橋#19) |
巻34(新羅地名リスト)より | ||||
S22 | 軍威縣 | 本奴同債縣(一云如豆債) | ★ | 今因之 |
S66 | 慈仁縣 | 本奴斯火縣 | ★ | 今因之 |