竜神の角と加茂角身命
角のある蛇
orig: 2000/10/28
骨の折れる仕事というが、蛇に角があって仕事して骨を折ったりしたらしい。ここでは資料として下記を収集しておく。
知里真志保著作集2のP20に「竜神の子孫の唱える呪文」というのがある。しばし引用する:

胆振の幌別に竜神を女系の祖とする一族があって竜神の角を秘宝として漁場に出稼ぎに行っても、海難に会ったことがない。天然痘などが流行しても、
角の生えた婆様の、子孫でございます、運がよくなるように、神様よお守り下さい
と唱えさえすれば無事である。この家系に属するものが山へ行くと、まれに角のある蛇を見かけることがある。そういう際には頭にかぶっていた布をはずして提出すると、それと引きかえに蛇の方では角を置いて行く。


角のある蛇に就いては常陸風土記が二個所に記している:
行方郡条(岩波本P55):夜刀の神・・・・俗に言う、蛇を夜刀(やつ)の神と為す。その形は蛇の身にして頭に角がある。(逃げるとき振り返って)見ると一族破滅する。
香島郡条の最後に(P77):南に平原がある。角折濱という。曰く、昔大蛇があった。東海に出たいと思い濱を掘って穴を作っていたら、蛇の角が折れて落ちた。それでそう言う(地名になった)

一方、山城風土記逸文、加茂社、は次のように述べる。

加茂建角身命と丹波神野の神伊加古夜日女の間に玉依日子と玉依比賣が生まれる。玉依比賣は川上から流れてきた丹塗矢に感じて妊娠し男子を生み、加茂別雷命と名づける。この丹塗矢は火雷神である。

雷神=蛇=竜神


継体天皇紀に「三尾角折君妹曰稚子媛。生大郎皇子、與出雲皇女。」という記事あり。
佐賀県神埼郡神埼町に「白角折(おしとり)神社」あり。
福岡県久留米市白山町(久留米駅付近)「白角折(しらとり)神社」あり。
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